利照堂センムのおてら歩き~瑞雲寺編④~

《寺号額》の原本です。《後堂》でもあった《林叟院》の《鈴木包一老師》の直筆となります。

扁額には《蘭秀菊芳(らんしゅうきくほう)》と書かれています。
蘭に秀有り菊に芳有りと読み。蘭や菊が美しく咲き、香りたっていることを意味します。
さまざまな花々が咲き誇っている景色はとても明るくやさしく、文字通り華やかなイメージを思い浮かばせますね。

ただここはお寺さま。もっと深い意味があるのではないかと勝手ながら想像します。
花々にも見た目の美しさ、良い香り、小花や大輪、薬や毒になるものそれぞれ特徴や役割があります。
現代の多様性の時代、我儘ではなく、各々の良い特徴(良い個性)が咲き誇る社会が訪れることを理想として、お寺という様々な人々の苦しみ悩みを救う場所に掲げられたのではないでしょうか?

お洒落な組手の窓です。窓枠も素晴らしいですね。

御簾の奥に祀られている《ご本尊さま》は《虚空蔵菩薩像(こくぞうぼさつぞう)》です。
《十三仏》では《三十三回忌》。《十二支守り本尊》では丑・寅の仏さまとして有名ですが、ご本尊としての《虚空蔵菩薩さま》は希少ではないでしょうか?

こちらは昭和32年の合併の折、《喜相院》の本尊をそのまま《端雲寺》の本尊とさたもので、身丈約30cm。元々は金箔が貼られていました。現在は剥がれて下の黒い部分も多く見られます。

《虚空蔵菩薩さま》は虚空すなわちこの世の中を体内に宿す福徳と知恵を持ってこの世を治め人々を救うといわれる仏さまで、《お釈迦さま》の化身というべき仏さまです。

《本堂》の片隅に《ゼロ戦》の大きな模型があります。
《境内》にあった「戦没者慰霊碑》をみて戦争にて大きな犠牲があった現実を後世に伝える道具として法話等で使用されたそうです。

以上《利照堂センムのおてら歩き》20歩目は、古き重厚感を残し、新しい明るさを共存させる静岡市葵区北の《瑞雲寺(ずいうんじ)》さまでした。

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